NASの転送が遅い原因|10ギガLAN増設で見直すポイント

NASの転送が遅い原因|10ギガLAN増設で見直すポイント

NASに写真、動画、バックアップデータを保存していると、「コピーが遅い」「大容量ファイルの転送に時間がかかる」「4K動画素材をNASから扱うと重い」と感じることがあります。NASの転送速度が遅い原因は、NAS本体だけとは限りません。PC側のLANポート、スイッチ、LANケーブル、NAS側のポート、HDD/SSD構成、ファイル数など、どこか1か所がボトルネックになると速度は伸びません。

特に、PCとNASのどちらかが1Gbps LANのままだと、10GbE対応NASを使っていても転送速度は1Gbps側に引っ張られます。NASへの大容量データ転送を見直すなら、PC側に10ギガLANを増設する選択肢があります。

この記事では、NASの転送が遅い原因、1Gbps LANの限界、10GbE化で確認すべきポイント、PCIe 10ギガLANボードを選ぶ時の注意点を解説します。

1. NASの転送が遅い時にまず疑うポイント

NASの転送が遅い時は、いきなりNAS本体を買い替える前に、どこが詰まっているかを切り分けることが大切です。

  • PC側のLANポートが1Gbps止まりになっていないか
  • NAS側が10GbEに対応しているか
  • スイッチやルーターが10GbEに対応しているか
  • LANケーブルのカテゴリや劣化に問題がないか
  • NAS内部のHDD/SSDやRAID構成がボトルネックになっていないか
  • 小さなファイルを大量にコピーしていないか

Synologyの公式ナレッジセンターでも、転送速度が低い場合は、クライアントPC、ネットワーク状態、NAS側のストレージ状態を順に確認することが案内されています。

2. 1Gbps LANの限界と10GbE化の考え方

一般的な有線LANは1Gbps環境が多く、理論上の上限は約125MB/sです。実際のファイル転送では、通信のオーバーヘッドやストレージ性能の影響を受けるため、常に理論値どおりになるわけではありません。

写真や書類中心なら1Gbpsでも十分なことがあります。一方で、4K動画、RAW写真、大容量バックアップ、仮想マシンイメージ、複数人でのNAS利用では、1Gbpsがボトルネックになりやすくなります。

10GbEは、1Gbps LANよりも高速なネットワーク規格です。ただし、PCだけ10GbE化しても、NAS、スイッチ、ケーブル、ストレージ側が対応していなければ、全体の速度は伸びません。

つまり10GbE化は、「LANボードを1枚増設すれば必ず速くなる」ではなく、PCからNASまでの経路をまとめて見直す考え方が重要です。

3. 10ギガLAN化に必要なもの

NASへの転送を10GbE環境に近づけるには、次の要素を確認します。

PC側の10GbE対応LANポート

デスクトップPCに10GbEポートがない場合、PCIeスロットに10ギガLANボードを増設する方法があります。PCIeスロットの空き、形状、対応OSを確認しましょう。

NAS側の10GbE対応

NAS側が1Gbpsポートのみの場合、PC側を10GbE化してもNASとの通信は1Gbps側が上限になります。NAS本体に10GbEポートがあるか、拡張カードで10GbE化できるかを確認してください。

10GbE対応スイッチ

PCとNASをスイッチ経由でつなぐ場合、そのスイッチも10GbE対応である必要があります。途中に1Gbpsスイッチや1Gbpsルーターが入ると、そこがボトルネックになります。

LANケーブル

10GbEでは、ケーブルのカテゴリ、長さ、劣化状態も重要です。Intelの資料では、RJ-45接続において10GbpsはCat6で最大55m、Cat6aで最大100mと案内されています。既存ケーブルを流用する場合も、リンク速度が10Gbpsで認識されているか確認しましょう。

4. PC側に10ギガLANを増設する時の確認ポイント

デスクトップPCに10ギガLANボードを増設する場合、最初に見るべきなのはPCIeスロットです。

PCIe x4以上の空きスロットがあるか

10Koenig Gen3の商品ページでは、対応接続スロットはPCI Express x4、Gen3 x4 / Gen2 x4と案内されています。マザーボード側に空きスロットがあるか、グラフィックボードやM.2 SSDとの干渉がないか確認してください。

対応OSを確認する

商品ページでは、対応OSとしてWindows 11 / 10 / 8.1 / 7 SP1以降が案内されています。業務用PCや特殊な環境では、ドライバーやセキュリティ設定の制限も確認しましょう。

発熱とエアフローを確認する

10GbEボードは高速通信を行うため、発熱にも注意が必要です。10Koenig Gen3は効率よく冷却するヒートシンク搭載と案内されていますが、PCケース内のエアフローが悪いと温度が上がりやすくなります。

ロープロファイル対応を確認する

小型ケースやスリムPCでは、通常サイズのブラケットが使えない場合があります。10Koenig Gen3はロープロファイルブラケット付属と案内されていますが、ケース内部のスペースも合わせて確認してください。

5. 10Koenig Gen3を選ぶ時の注意点

エアリアの10Koenig Gen3(SD-PE410GL2-B)は、PCI Express x4スロットに接続して10ギガビットLANポートを増設するボードです。

10Koenig Gen3の主な仕様

  • PCI Express x4形状の10G LANボード
  • AQUANTIA AQC107コントローラー搭載
  • RJ-45 1ポート、Auto-MDIX対応
  • 100Mbps / 1Gbps / 2.5Gbps / 5Gbps / 10Gbps対応
  • IEEE802.3an / 802.3bz / 802.3ab / 802.3u対応
  • Jumbo Packet 16348 / 9014 / 4088 / 2040Bytes対応
  • 最大消費電力 3.8W
  • ロープロファイルブラケット付属

商品ページでは、カテゴリー5eのケーブルが流用できるマルチギガ対応も案内されています。ただし、10Gbpsで安定して使えるかは、ケーブル品質、距離、スイッチ、NAS、PC側のリンク状態に左右されます。

NASへの大容量データ通信を目的に導入する場合は、PC側だけでなく、NAS側とネットワーク機器側も10GbE対応か確認してから検討しましょう。

6. 10GbE化しても速度が出ないケース

10ギガLANボードを増設しても、必ず10Gbps相当のファイル転送になるわけではありません。次のような場合は、期待した速度が出ないことがあります。

NAS内部のストレージが遅い

NAS側がHDD 1台構成、古いHDD、低速なRAID構成の場合、ネットワークを速くしてもストレージ側が先に限界に達することがあります。

小さいファイルを大量にコピーしている

数GBの動画ファイルを1つコピーする場合と、小さな画像や書類を何万個もコピーする場合では、転送効率が変わります。小さいファイルが多いほど、ネットワーク速度以外の処理が効いてきます。

リンク速度が10Gbpsで認識されていない

PC、NAS、スイッチのどこかでリンク速度が1Gbpsや2.5Gbpsになっている場合、10GbEの速度は出ません。OSやNAS管理画面でリンク速度を確認しましょう。

ジャンボフレームの設定が揃っていない

Jumbo Frameを使う場合、PC、NAS、スイッチ側でMTU設定を揃える必要があります。設定が不一致だと、通信が不安定になったり、期待した速度が出ないことがあります。設定に不安がある場合は無理に変更せず、専門家に確認が必要です。

7. よくある質問

Q. NASが遅い原因はLANだけですか?

A. いいえ。PC、NAS、スイッチ、LANケーブル、HDD/SSD、RAID構成、ファイル数など複数の要素が関係します。10GbE化は有効な場合がありますが、原因の切り分けが必要です。

Q. PCだけ10ギガLANにすれば速くなりますか?

A. PC側だけでは不十分です。NAS側、スイッチ、ケーブルも10GbEまたは必要なマルチギガ速度に対応している必要があります。

Q. Cat5eケーブルでも使えますか?

A. 10Koenig Gen3の商品ページでは、カテゴリー5eのケーブルが流用できるマルチギガ対応と案内されています。ただし、10Gbpsで安定するかはケーブル品質や距離、接続機器に左右されます。安定した10GbE環境を狙うなら、ケーブル規格も確認してください。

Q. ノートPCにも取り付けできますか?

A. 10Koenig Gen3はPCI Express x4スロットに取り付けるデスクトップPC向けの増設ボードです。一般的なノートPCには取り付けできません。

Q. 10GbE化すれば動画編集も快適になりますか?

A. 10GbE化でNASとの転送速度が改善する可能性はあります。ただし、NASのストレージ性能、編集ソフト、PC性能、ファイル形式にも左右されます。業務用途の動画編集環境では専門家に確認が必要です。

8. まとめ:NASが遅い時は、PCからNASまでの経路全体を見る

NASの転送が遅い時は、NAS本体だけでなく、PC側LANポート、スイッチ、LANケーブル、NAS側ポート、ストレージ構成をまとめて確認することが重要です。

1Gbps LAN環境では、大容量ファイル転送や動画素材の扱いで限界を感じることがあります。10GbE対応NASや10GbEスイッチを使っているなら、PC側にも10ギガLANを増設することで、ボトルネックを減らせる可能性があります。

10Koenig Gen3(SD-PE410GL2-B)は、デスクトップPCに10ギガビットLANを増設するPCI Express x4接続ボードです。NASへの大容量データ転送を見直したい方は、対応スロット、対応OS、ネットワーク機器、販売状況を確認して検討してください。

NASへの大容量データ転送を見直したい方へ

10Koenig Gen3 SD-PE410GL2-B 10ギガビットLAN増設ボード

10Koenig Gen3は、PCI Express x4スロットに接続して10ギガビットLANポートを増設するボードです。対応OS、対応スロット、販売状況は商品ページで確認してください。
※2026-07-25時点の商品ページでは売り切れ表示が含まれていました。10GbE環境には、PC・NAS・スイッチ・ケーブル側の対応が必要です。

10Koenig Gen3の販売状況・仕様を見る
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