SATAポートが足りない時の増設方法|PCIeカードでHDD・SSDを追加
Share
結論
マザーボードのSATAポートが埋まっている場合は、空いているPCI ExpressスロットへSATA増設カードを取り付ける方法があります。ただし、確認するのはポート数だけではありません。PCIeスロットの形状・レーン共有、ドライブベイ、電源ユニットのSATA電源、冷却、OS対応まで揃って初めて増設できます。
HDDや2.5インチSSDを追加したいのに、マザーボードのSATA端子が足りない。録画データや写真の保存先を増やしたい。そんなときに候補となるのが、PCIe接続のSATA増設カードです。一方で、「SATAケーブルを挿せる場所を増やせば終わり」と考えると、電源コネクタ不足や設置スペース不足で作業が止まります。この記事では、購入前の確認からWindowsで認識させるまでを順番に整理します。
1. HDD・SSDを追加できない原因はSATAポート不足?
まずPCの電源を切り、電源ケーブルを抜いた状態で、マザーボードのマニュアルと現在の配線を確認します。SATA端子が空いて見えても、M.2スロットの使用によって一部のSATAポートが無効になる構成があります。反対に、配線が重なって空き端子を見落としている場合もあります。
| 不足しているもの | 症状 | 主な対応 |
|---|---|---|
| SATAデータポート | ドライブとマザーボードをつなぐ端子がない | PCIe SATA増設カードを検討 |
| SATA電源 | 電源ユニットからドライブへ給電できない | 電源ユニットの構成・容量を確認 |
| ドライブベイ | HDD・SSDをケース内へ固定できない | 対応ベイ、マウンター、ケース寸法を確認 |
| PCIeスロット | カードを差す空きスロットがない | 物理サイズと使用可能レーンを確認 |
| OS上の設定 | 接続済みだがエクスプローラーに出ない | ディスク管理、ドライバー、BIOSを確認 |
SATA増設カードが解決するのは、主にSATAデータポートの不足です。カードからHDD・SSDへ電源を供給するわけではないため、SATA電源ケーブルは別に必要です。
2. SATA増設カードを買う前に確認する5項目
- 空きPCIeスロット:カードの端子形状を挿せるx4以上の物理スロットがあるか確認します。
- マザーボードのレーン共有:ほかのPCIe・M.2スロットを使ったときの制限をマニュアルで確認します。
- SATA電源:増設台数分の電源コネクタと、電源ユニットの容量を確認します。
- 固定場所と冷却:3.5インチHDD・2.5インチSSDを固定できるベイと、空気の流れを確保します。
- OSと用途:対応OS、データ用・起動用・録画用などの目的を明確にします。
電源分岐ケーブルの無計画な追加は避ける
コネクタの数だけでなく、電源ユニットの容量、ケーブルの許容範囲、ドライブ起動時の負荷も関係します。多数のHDDを搭載する構成は、PC組み立てや電源設計の専門家に確認が必要です。
3. SATA増設カードの選び方
PCIeの物理形状を確認する
「PCIe対応」だけでなく、カードがx1・x2・x4など、どの形状かを確認します。一般に短いカードは長いスロットへ装着できる場合がありますが、製品側とマザーボード側の説明を優先してください。グラフィックボードの厚みによって、空きスロットが物理的に塞がれていないかも見ます。
必要ポート数と付属ケーブル数を分けて考える
6ポートのカードでも、SATAケーブルが6本付属するとは限りません。今すぐ接続する台数と、将来増やす台数を分けて数え、不足分のSATAデータケーブルと固定部品を用意します。
最大6Gbpsを6台分合計できるとは限らない
SATA IIIの最大6Gbpsは規格上の理論値です。カード側のPCIe世代・レーン数、コントローラー、同時アクセス、接続ドライブの性能によって実効速度は変わります。「6ポート×6Gbpsで常に36Gbps」とは考えないでください。
4. 6ポートSATA増設カード「S6x4」の特徴
エアリアの「S6x4(SD-PE4-6SA)」は、PCIe x4スロットへ装着し、SATA IIIポートを6基追加するWindows向けの拡張カードです。マザーボード側のSATA端子を使い切ったあとも、複数の3.5インチHDDや2.5インチSSDを内蔵したい構成で候補になります。
| 項目 | 掲載仕様 | 購入前の確認 |
|---|---|---|
| 接続 | PCI Express x4(Gen2/Gen1) | x4・x8・x16の使用可能な物理スロット。x1には装着不可 |
| SATAポート | SATA III × 6 | 電源とベイも増設台数分必要 |
| コントローラー | ASMedia ASM1062 + ASM1093 | 最新の取扱説明書・ドライバーを確認 |
| 対応OS | Windows 11 / 10(64bit) | ほかのOSでの対応は商品ページ上では確認できない |
| 付属品 | SATAケーブル2本、ロープロファイルブラケット | 3台以上つなぐ場合はデータケーブルを追加 |
| 起動ドライブ | 商品ページでは対応 | マザーボードのBIOS設定が必要な場合あり |
本製品の商品ページにはRAID機能の記載がありません。複数台を束ねてRAIDを構築する機能が必要な場合は、OS側の記憶域機能を含め、目的に合う別の構成を検討してください。
5. SATA増設カードの取り付けと配線の手順
作業前に重要データを別の場所へバックアップします。PCの電源を切り、電源ケーブルと周辺機器を外し、金属部分への接触などで静電気対策を行ってください。
- マザーボードのマニュアルで、使用するPCIeスロットと共有条件を再確認します。
- PCケースを開け、必要に応じて標準またはロープロファイルのブラケットを選びます。
- SATA増設カードをPCIeスロットへまっすぐ装着し、ブラケットを固定します。
- カードのSATAポートと各HDD・SSDをSATAデータケーブルで接続します。
- 電源ユニットのSATA電源ケーブルを各ドライブへ接続します。
- ケーブルがファンへ触れず、コネクタへ無理な力がかからないように整えます。
- ケースを閉じて起動し、BIOS/UEFIとWindowsで認識を確認します。
ケース内部の作業は、製品保証や感電・破損に関わる場合があります。作業に不慣れな方、メーカー製PC、業務PCでは、PCメーカーまたは組み立ての専門家に確認が必要です。
6. Windowsで追加ドライブを確認する
接続したドライブがエクスプローラーに表示されない場合は、「スタート」を右クリックして「ディスクの管理」を開きます。Microsoftによると、ディスクの管理では、新しいドライブの初期化、ボリュームの作成、フォーマット、ドライブ文字の変更などが行えます。
新品の空ドライブの場合
対象ディスクの容量と番号を慎重に確認し、必要に応じて初期化、ボリューム作成、フォーマットを行います。UEFIを備えた新しいシステムや大容量ドライブではGPTが一般的ですが、利用環境の要件を確認してください。
データ入りドライブの場合
既存データを残したいドライブを初期化・フォーマットしないでください。
Microsoftは、フォーマットすると対象パーティション上のデータが破棄されると案内しています。認識されないからといって操作を進めず、接続、BIOS、ドライバー、ファイルシステムを切り分けます。
操作の参考:Microsoft「Windowsでのディスク管理」
7. 速度・RAID・起動ドライブで誤解しやすい点
- ポート数と速度は別:接続台数を増やせても、すべてのドライブが同時に最大速度で動く保証はありません。
- SATA SSDとNVMe SSDは別:M.2 NVMe SSDは、SATA増設カードへ直接接続できません。
- RAIDは自動で作られない:複数台を接続しただけでは、冗長化や容量統合になりません。
- 起動にはBIOS設定が必要な場合:カードが対応していても、マザーボードの起動順序や互換性に左右されます。
- バックアップは別に必要:内蔵ドライブを増やすこと自体は、故障や誤削除に備えるバックアップではありません。
大量のデータを扱う場合、遅さの原因がLAN側ならSATAポートを増やしても改善しません。NASとの転送速度を見直したい場合は、NASの転送が遅い原因と10ギガLANの記事でネットワーク側を確認してください。
8. よくある質問
PCIe x1スロットにS6x4を付けられますか?
付けられません。S6x4はPCIe x4形状で、商品ページではx4・x8・x16スロットへ装着可能と案内されています。
SATAケーブルだけあればHDDを6台追加できますか?
いいえ。各ドライブ用のSATA電源、固定ベイ、冷却スペースも必要です。S6x4に付属するSATAデータケーブルは2本なので、3台以上接続する場合は追加で用意します。
S6x4でRAIDを構築できますか?
今回確認した商品ページには、ハードウェアRAID機能の記載がありません。RAIDが必須なら、希望するレベル、復旧方法、OS対応まで含めて専門家に確認が必要です。
古いSSDを再利用したいだけなら内蔵増設がよいですか?
常時PC内で使うなら内蔵増設が候補です。別のPCでも使いたい場合や、空きPCIeスロット・ベイがない場合は、2.5インチケースで古いSSDを外付け化する方法も比較してください。
9. 関連記事とまとめ
- 古いSSDを2.5インチケースで外付け化する方法:USB接続で再利用したい場合。
- 空きM.2がないPCへNVMe SSDをPCIe増設する方法:SATAではなくM.2 NVMeを追加したい場合。
- デスクトップPCのUSBポートをPCIeで増設する方法:不足しているのが外部USBポートの場合。
- NASの転送が遅い原因と10ギガLANの確認ポイント:ネットワーク転送が課題の場合。
SATAポート不足は、PCIe増設カードで解消できる可能性があります。ただし、データ端子だけでなく、PCIeスロット、電源、固定場所、冷却、OS設定を一つずつ確認することが大切です。
SATAドライブを複数台内蔵したい場合は、S6x4の6ポート構成と自分のPC条件を照らし合わせてください。
出典・確認日
- エアリアダイレクト:S6x4(SD-PE4-6SA)商品ページ(2026年09月確認)
- Microsoft:Windowsでのディスク管理(2026年09月確認)